皆様、明けましておめでとうございます。昨年は色々とお世話になり、ありがとうございました。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
2011年2月にスタートしたFLY HIGH RECORDSも、間もなく1周年を迎えようとしています。昨年は3月に東日本大震災が起こり、これに翻弄された1年だったと言っても過言ではありません。その後数ヶ月は主だった活動も出来ず、やっと本格的に活動再開できたと思ったのが夏頃、そしてその後、春からのロスを取り戻すべく目まぐるしく時間は進み、気がついたら年末という状況でした。しかしよく考えてみれば、私どものレーベル並びに会社の関係者の間では、ディストリビューターでもあるヴィヴィド・サウンドの仙台のセンターを除いては大きな被害もなく、リリース活動を続けて来られたのはまさに幸運でした。今は被災地の皆様、そして今も避難生活を強いられている方々のご苦労が少しでも報われることを願ってやみません。
昨年末に色々と考えるところがあり、その際に昨年の出来事を自分なりに再考してみました。そしてそこから思ったのは、やはり人と人との繋がりは偶然であり、でも必然であるということでした。
例えばFLY HIGH RECORDSについて考えてみると、その構想自体は既に2009年の夏前には描いていました。ただしその時点では、何となくこういうレーベルが作れるかも知れない、そしてこんな作品をリリースできたら、といった緩いもので、とりあえずその時に作ったものと言えばレーベル名とレーベル・ロゴのデザイン、これぐらいでした。僕は中学時代から細野晴臣さんの影響を強く受けているので、細野さんに習ってまずはロゴを作ることから始めました。しかしその後、このレーベル構想は具体的にしばらく動くことはありませんでした。
しかし2010年夏にシンガー・ソングライターの玉城ちはるさんんと偶然出会い、既にタイアップの決まっていた玉城さんの曲(=これが後の「ここにいること。」)をリリースするために、結果的に構想段階で止まっていたFLY HIGH RECORDSを立ち上げることになりました。そして2010年冬にレコーディングが始まり、完成したのが昨年2月にFLY HIGH RECORDS第1弾としてリリースしたアルバム『ここにいること。』でした。しかしその数週間後に、東日本大震災が起こることになります。
こうやって考えてみると、玉城さんと出会っていなければこのタイミングでFLY HIGH RECORDSを立ち上げることも無かったと思いますし、仮に立ち上げていたとしても第1弾のリリースが昨年2月以降になっていたと思われ、その場合東日本大震災によって頓挫していた可能性が高いのです。ということは、それに続く村田和人さんや伊藤銀次さんのEMI時代のリイシューや、伊豆田洋之さんの『幸せの扉』などのリリースの方法も、根底から変わっていたと言えます。そう考えると、色々大変なことはありましたが昨年2月にFLY HIGH RECORDSをスタートしておいて良かったと、今は思えるのです。
不思議なもので、このように目に見えない繋がりやタイミングがまさに組み合わさって、私たちはその中で今を生きています。今年も色々な形で、そして色々な方にご協力を賜りながら、自分たちに今出来ることを頑張っていきたいと思っております。
なお今年の活動ですが、まず3月にFLY HIGH RECORDSからノーナ・リーヴスのワーナー時代のオリジナル・アルバム3作を紙ジャケでリイシューする予定です。それから同時進行で3月〜4月にかけて、ユニバーサルからA&Mレーベル50周年企画&ニック・デカロ没後20年企画として、A&M関係のオリジナル・アルバムを25タイトルと、ニック・デカロ・ワークスというコンピ、そしてフィル・スペクター関連のオリジナル・アルバム6作を紙ジャケでリイシューする予定です。さらに5月頃には村田和人さんのワーナー時代のオリジナル・アルバム5作の再発も予定しております。またそれ以外にも、コンピレーションCDや、玉城ちはるさんのCD、村田和人さんの新作アルバムなど、今年前半はかなりの数のリリースを検討中です。
今年も皆様に喜んで頂ける良質な音楽を1作でも多く送り出せるよう、頑張って参りたいと思っております。2012年もFLY HIGH RECORDSをどうぞ宜しくお願い致します。